この記事でわかること
Organization schema(構造化データ)に knowsAbout・sameAs・areaServed の3プロパティを追加すると、
ChatGPT・Gemini・AI Overviewが御社の専門領域・権威性・対応エリアを機械的に読み取りやすくなります。
本記事では、それぞれのプロパティの意味・JSON-LDの具体的な書き方・よくある実装ミスを解説します。
課題:AIが「何の会社か」を誤認する
生成AI検索が普及するなか、多くの中堅企業サイトには深刻な問題があります。 ChatGPTに「〇〇社は何をしている会社ですか」と問いかけても、曖昧な業種説明が返ってくる、 あるいは数年前の古い事業内容が引用され、現在の主力サービスが反映されていないケースです。
Hyakrypsが2026年6月に実施した自社AIO診断PoCでは、 社名クエリに対してChatGPTが「設立初期の事業概要」を返し、 現在のAIOコンサル主力事業が一切言及されない状況を確認しました。
原因の一つが、Organization schemaの記述が最小限にとどまっていることです。 会社名・URLだけが記述されており、何の専門家か・どこに拠点があるか・どの外部データベースと同一か、 という情報がAIに伝わっていません。
Organization schemaとは
Organization schema(schema.org/Organization)は、組織の属性を機械が読める形式で表現する構造化データです。
Googleを含む主要な検索エンジン・AIクローラが解釈する共通仕様(schema.org)に基づきます。
基本的な実装(名前・URL・ロゴ)だけでは、AIが「この組織の専門性・権威・地理的範囲」を推論する根拠が薄くなります。 AIO(AI検索最適化)の文脈では、以下の3プロパティが特に重要です。
3つの重要プロパティ
1. knowsAbout:専門領域を明示する
knowsAbout は、組織(または人物)が知識・専門性を持つ領域を指定するプロパティです。
文字列または Thing 型(DefinedTerm・URL・Text)で記述できます。
AIが「この会社は何の専門家か」を判断する際に直接参照します。 主力サービス・業界カテゴリ・使用技術などを記述することで、 生成AIが関連クエリに対して御社を引用する確率が高まります。
2. sameAs:外部権威データベースとの同一性を示す
sameAs は、他のデータソース(Wikidata・LinkedIn・経済産業省法人情報・G-Search等)における
同一組織のURLを列挙するプロパティです。
生成AIの学習データには、Wikipedia・Wikidata・公的データベースが多く含まれます。
sameAs でこれらと紐付けることで、AIが「同一組織の情報」として統合処理しやすくなります。
3. areaServed:対応エリアを地理的に限定する
areaServed は、サービスの提供地域を示すプロパティです。
「全国」「東京都」「関東」のように文字列で記述するか、
AdministrativeArea 型で構造化することもできます。
「〇〇エリアの△△業の会社」という地域密着クエリへの対応に有効です。
具体的な実装手順
STEP 1: 既存のOrganization schemaを確認する
まず、サイトに既存のOrganization schemaがあるかを確認します。
Googleのリッチリザルトテスト(https://search.google.com/test/rich-results)でURLを検証し、
Organization タイプが存在するかを確認してください。
STEP 2: JSON-LDに3プロパティを追加する
以下は、3つのプロパティを追加した実装例です(<head> 内に記述)。
<script type="application/ld+json">
{
"@context": "https://schema.org",
"@type": "Organization",
"name": "株式会社Hyakryps",
"url": "https://hyakryps.com",
"logo": "https://hyakryps.com/images/logo.png",
"knowsAbout": [
"AI検索最適化(AIO)",
"構造化データ実装",
"生成AI向けコンテンツ設計",
"デジタルマーケティング戦略"
],
"sameAs": [
"https://www.linkedin.com/company/hyakryps",
"https://twitter.com/hyakryps"
],
"areaServed": "日本全国(リモート対応)",
"contactPoint": {
"@type": "ContactPoint",
"contactType": "customer service",
"email": "wakako@hyakryps.com",
"availableLanguage": "Japanese"
}
}
</script>
STEP 3: knowsAbout の内容をコンテンツと一致させる
knowsAbout に記述した領域は、実際のサービスページ・ブログ記事の内容と整合させることが重要です。
「AIに強いと書いたが、サイトにAI関連コンテンツが1ページしかない」状態では、
AIが引用する根拠となるコンテンツ資産が不足します。
コンテンツ量と構造化データは、セットで整備することが原則です。
同じ「会社の輪郭をAIに伝える」役割を担う仕組みとして、
llms.txtでAIクローラに会社情報を正しく伝える設計も
knowsAbout の記述と内容を揃えておくと、AI側で受け取る会社像がぶれにくくなります。
STEP 4: sameAs に信頼性の高いURLを優先する
sameAs に列挙するURLの優先順位は次のとおりです。
- Wikidata(
wikidata.org/wiki/Q...) - LinkedIn公式ページ
- 経済産業省 法人情報(国税庁法人番号公表サイト等)
- 業界団体・認定機関の会員ページ
SNSアカウントも有効ですが、公的・準公的なデータベースとの紐付けを優先してください。
よくある落とし穴
| ミス | 影響 |
|---|---|
knowsAbout に実態と異なる専門領域を列挙 | AIが誤情報を引用するリスク |
sameAs に存在しないURL・リダイレクトURL | クローラがエラーとして処理する場合がある |
areaServed を省略(サービス業で全国対応の場合でも) | 地域クエリへの引用機会を逸する |
| Organization schemaを複数ページに重複配置 | 情報が分散し、AIの統合処理が乱れる |
Hyakryps実証:Organization schema拡張後の変化
Hyakrypsでは2026年6月の自社AIO診断PoCにおいて、
knowsAbout(AIO・構造化データ・AI検索最適化)・sameAs(LinkedIn)・areaServed(日本全国)
を既存のOrganization schemaに追加しました。
実施前はChatGPTが社名クエリに対して旧来の事業説明を返していましたが、 schema拡張後にAI応答の内容が現在の主力サービス(AIOコンサル・アペアル)に寄っていく変化を確認しています。
変化は定性的なものであり、数週間単位でのスナップショット比較で判断しています。 構造化データ単体の効果と、コンテンツ拡充の複合効果を分離して測定することは困難ですが、 schema拡張なしにこの変化は生じていなかったと判断しています。
FAQ
Q. Organization schemaはトップページにだけ置けばいいですか?
A. 組織全体の属性(knowsAbout・sameAs・areaServed)はトップページへの配置が基本です。
ただし、Aboutページ・問い合わせページにも同一のOrganization schemaを配置することで、
クローラが組織情報を複数ページで一貫して認識しやすくなります。
同じschemaを複数ページに重複配置する場合は、@id プロパティで同一組織を明示してください。
Q. knowsAbout に書く内容は何語でも大丈夫ですか?
A. ターゲット言語に合わせてください。日本語でサービスを提供している場合は日本語で記述します。
英語圏のAIモデルへの対応も意識する場合は、日本語と英語を併記する方法もあります。
knowsAbout は配列形式で複数の文字列を列挙できます。
Q. sameAs にSNSアカウントを入れても意味がありますか?
A. 意味はあります。特にLinkedIn・X(Twitter)の公式アカウントは、 生成AIの学習データに含まれていることが多いため、同一性の紐付けに有効です。 ただし、フォロワー数が少ない・更新が止まっているアカウントは信頼性への貢献が限定的です。 SNSよりもWikidata・法人データベースを優先する方針で組み立ててください。
Q. areaServedに「全国」と書くよりも都道府県を列挙すべきですか?
A. 「日本全国」のような文字列記述でも機能します。
特定の都道府県への集客を重視する場合は、
AdministrativeArea 型で都道府県名を列挙するか、
複数の areaServed 値を配列で記述する方法が有効です。
まとめ
knowsAboutで専門領域を明示すると、AIが関連クエリで御社を引用する根拠が生まれる。sameAsでWikidata・LinkedInと紐付けると、AIが複数データソースから同一組織として統合処理しやすくなる。areaServedを追加することで、地域密着クエリへの対応が強化される。
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