この記事でわかること
Webサイトで「お問い合わせ」と「無料診断」など複数のコンバージョン(CV)を計測するとき、 GA4のイベントを 2つに分けるべきか、1つのイベント+パラメータで見分けるべきかは、 多くの担当者が最初に迷うポイントです。
本記事では、GTM(Google Tag Manager)とGA4での実装ロジック・両者の違い・ 「1イベント設計」で必ず必要になるカスタムディメンション登録までを、 自社サイトでの実装経験をもとに解説します。
課題:CVごとにイベントを分けると、タグもイベントも増えていく
従来よくある実装は、CVの種類ごとにイベント名を分ける方法です。
お問い合わせ送信 → contact_submit
無料診断の申込 → diagnosis_submit
この方法は直感的ですが、CVの種類が増えるほどGTMのタグもGA4のイベントも比例して増え、 管理対象が膨らみます。CVが5種類あればタグ5個・イベント5個。設定漏れや命名のブレも起きやすくなります。
GA4には「1イベント+パラメータ」で同じことを、より少ない部品で実現する設計があります。
結論:1イベント名 + 区別用パラメータ が扱いやすい
GA4推奨の考え方は、イベント名は1つにまとめ、 「どのCVか」はイベントパラメータで持たせる方法です。
すべてのCV → generate_lead(イベント名は共通)
└─ パラメータ form_type = contact / diagnosis
generate_lead はGA4が推奨する「見込み客獲得」の標準イベント名です。
1件ごとに form_type(contact か diagnosis か)というラベルが付くので、
1つのイベントのまま、後から種類別に分解できます。
仕組み:値はどこで決まり、どう流れるのか
「1イベント+パラメータ」がどう成立するのか、データの流れで見ると分かりやすくなります。 以下は、フォームツール(例:Tally)から送信後にサンクスページへ遷移させる構成の例です。
① 送信後リダイレクト(フォーム側の設定)
お問い合わせ → /thanks/?type=contact
無料診断 → /thanks/?type=diagnosis
↓
② GTMのURL変数が、URLの「type」の値を読む(contact / diagnosis)
↓
③ GA4イベントタグ
イベント名:generate_lead
パラメータ:form_type = {{URL変数(type)}}
トリガー :サンクスページ(/thanks/)の表示時のみ
↓
④ GA4には全件 generate_lead で届くが、各件に form_type が付く
ポイントは、「どのCVか」の情報をURLパラメータに載せて運ぶことです。
送信完了ページのURL(?type=…)を種類ごとに変えておけば、
GTMがその値を読み、イベントのパラメータとしてGA4へ渡せます。
なぜ「クリック」ではなく「送信完了ページ」で測るのか
CTAボタンのクリックを数える方法もありますが、サイト内に「無料診断」ボタンが複数あると、 発火点が分散し、水増しや重複が起きます。 「送信が完了した」という1点(サンクスページの表示)をCVとして測るほうが、 本当に取りたい成果に一致します。
注意点:パラメータは「登録」しないとレポートで分解できない
ここが「1イベント設計」で最も見落とされる点です。
GA4は、イベントパラメータを送っただけでは通常レポートの分析軸(ディメンション)として使えません。
form_type で内訳を見るには、カスタムディメンションへの登録が必須です。
- GA4管理 → カスタム定義 → カスタムディメンションを作成
- ディメンション名:
form_type(任意)/範囲:イベント/イベントパラメータ:form_type
登録した時点以降のデータから、探索レポートやキーイベントの内訳で
generate_lead を form_type = contact / diagnosis に分解できるようになります。
登録を忘れると、リアルタイム/DebugViewのパラメータ表示では見えても、 通常レポートで内訳が出ません。「データは来ているのに分けられない」の多くはこれが原因です。
「どうしても2つに分けたい」場合には
管理画面上で「2つのコンバージョン」として並べたい場合は、 1イベント設計のまま、GA4の「イベントを作成」で派生イベントを作れます。
diagnosis_lead = generate_lead かつ form_type = diagnosis
contact_lead = generate_lead かつ form_type = contact
それぞれをキーイベント化すれば、従来の「2コンバージョン」表示にできます。 ただし通常は 1イベント+カスタムディメンションで十分で、 GA4のイベント数の上限にも優しい構成です。
GA4でイベントを「作成」するときの選択肢
GA4でイベントを扱う際、「コードなしで作成」か「コードを使用して作成」かを選ぶ場面があります。
- コードを使用して作成:GTMやgtagなど自分のコード/タグから送るイベントを扱う場合。
- コードなしで作成:GA4側がページ操作を検知して新たにイベントを作る場合。
GTMから generate_lead を送っているなら、選ぶべきは**「コードを使用して作成」です。
「コードなし」を選ぶと、GA4が独自に検知したイベントと二重計上**するおそれがあります。
もっとも本質的に大事なのは作成方法の選択よりも、次の2点です。
- 送信完了時に、GA4のリアルタイム/DebugViewに
generate_leadが出ているか - それが**キーイベント(コンバージョン)**に設定されているか
検証:DebugViewで種類別に出るか確認する
実装後は、GTMのプレビュー(またはGA4のDebugView)で確認します。
- 送信完了ページを
?type=diagnosisで開く →generate_lead(form_type=diagnosis)が出るか ?type=contactでも開く →generate_lead(form_type=contact)が出るか
両方が正しいパラメータで出れば、設計どおりに機能しています。
実際のDebugViewでの見え方
自社サイトで無料診断フォームを実際に送信し、DebugViewで generate_lead を開くと、
イベントパラメータに form_type の値が記録されているのが確認できます。
| 項目 | パラメータ名 | 値 |
|---|---|---|
| イベント名 | en | generate_lead |
| イベントパラメータ | ep.form_type | diagnosis |
この ep.form_type = diagnosis の1行が、「このコンバージョンは無料診断からの送信だ」という情報を運んでいる実体です。
お問い合わせから送信すれば、同じ generate_lead でも ep.form_type = contact になります。
1つのイベントが、パラメータの値だけを変えて種類を区別していることが、実データで確認できます。
FAQ
Q. 2イベント方式と1イベント方式、どちらが正解ですか?
A. どちらも正しく計測できます。CVの種類が少なく管理も分かれているなら2イベントでも問題ありません。 ただし種類が増える見込みがあるなら、1イベント+パラメータのほうが部品が少なく、拡張に強い構成です。
Q. カスタムディメンション登録前のデータは、後から分解できますか?
A. できません。カスタムディメンションは登録した時点以降のデータにしか適用されません。 実装したら早めに登録しておくのが安全です。
Q. パラメータ名は何でもいいですか?
A. 任意ですが、form_type のように意味が明確で予約語と衝突しない名前を推奨します。
GA4の自動収集パラメータと同じ名前は避けてください。
まとめ
- 複数CVは「2イベントに分ける」か「1イベント+パラメータで見分ける」かの2通り。
- 1イベント名 + 区別用パラメータ(例:
generate_lead+form_type)が、部品が少なく拡張に強い。 - 値は送信完了ページのURLパラメータに載せ、GTMのURL変数→GA4イベントパラメータへ渡す。
- パラメータはカスタムディメンションに登録しないとレポートで分解できない。必ず作業をしてください。
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